ビジネスローン審査でも重要なウェイトを占める決算情報ですが、ビジネスローンの審査では決算情報の何を重視してチェックされるのでしょうか?
通常は、2期分の決算資料の提出が必要書類としてビジネスローンでは必要なことから考えても、ここは非常に重要なポイントと言えます。
1.赤字かどうか?の審査チェック
決算情報では
PL(損益損益計算書)
- 当期利益
- 経常利益
- 営業利益
が赤字でないかどうか?をまずチェックされます。当期利益から順番にチェックしていくのです。
仮に当期利益や経常利益が一時的な投資によってマイナスだったとしても、安定的な営業利益が確保できてればよいと判断する審査もあるので、少しずつ遡って内容をチェックをしていくとなるのです。
BS(貸借対照表)
- 純資産(債務超過・繰越欠損)
損益が赤字でないことを確認したうえで、資産が債務超過になっていないか、繰り越し欠損がでていないかをチェックされます。
一般的なビジネスローンの審査では、上記が最低限クリアしていないと審査通過は難しいのが現状です。
「利益が出ていて、債務超過でない企業に融資する」第一関門と言えます。
2.キャッシュフロー計算書の審査チェック
勘違いされている経営者の方も多いのですが
企業経営はキャッシュフローが重要になります。損益も重要なのですが、お金の出入りを示すキャッシュフローがプラスになっていないと、健全な企業経営ができていないと判断されるからです。
損益計算書上では赤字になっていても、減価償却額が大きければ実際のキャッシュフローはプラスになっていることもあるのです。この場合、赤字でもビジネスローン審査に通る可能性が出てくるのです。
キャッシュフローで審査されるのは
毎月どのくらいの資金がプラスに増えていくのか?
という部分です。
このキャッシュフローでのプラスの資金からビジネスローンの返済余力を判断するからです。
キャッシュフローがプラスであっても、ビジネスローン以外の他社からの融資額がおおければ審査に落ちてしまう可能性もあるのです。
3.前年度対比と不良債権の発掘
キャッシュフローに問題がなければ、後は異常の発見をします。
- 前期、前々期と比較して数字が大幅に落ち込んでいるものがないか?
- 売掛金明細の中で不良債権がないか?
- 他社からの借入額・融資額が急激に増えていないか?
- 一時的な売上・一時的な支出は何があるのか?
- 含み損を抱えた資産がないか?
- ・・・
などです。上記のような審査はカードローン型のビジネスローンよりも、事業融資型のビジネスローンで審査されるときに見られる項目と言っていいでしょう。
この審査に関しては、金融機関の審査方針によって変わってくるのです。
まとめ
決算書のビジネスローン審査で見られるポイントは
- 赤字でないかどうかのPL/BSチェック
- キャッシュフローがプラスでいくら貸せるのか?のCFチェック
- 前年対比での異常がないか?のチェック
と大まかに3段階で審査が行われると言っていいでしょう。
基本的には黒字でキャッシュフローもプラスであれば、後はいくら貸せるか?(いくらなら返済ができるか?)の融資枠の審査に移ることになります。