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ビジネスローンとは直接的に関係ありませんが、少しでも経費を削減して資金繰りを改善するという意味では法人口座選びも重要になります。
失敗しない法人口座比較の方法について解説します。
法人口座はメガバンクよりもネットバンクでコスト削減
法人口座を持つと大きく分けて2つのコストが発生します。
1.振込み手数料
2.口座維持管理手数料
の2つです。
1.振込み手数料
個人よりも法人の場合、他の会社の銀行口座に振り込む回数が飛躍的に多くなります。外注に発注したら、振込みで費用を支払うことが基本ですので、取引先の数、毎月振込みが発生するのです。
業種によって違いはありますが、中小企業であっても毎月の振込み回数が100回を超えているところは少なくないはずです。
ここでメガバンクとネットバンクでは大きな違いが出てきます。
3万円を超える他行宛の振込手数料は
メガバンク:756円
ネット銀行:258円~270円
毎月100回この金額で他行宛に振込みをしていたとしたら
メガバンク:756円 × 100回 × 12カ月 = 90万7200円
ネット銀行:258円 × 100回 × 12カ月 = 30万9600円
振込み手数料だけで60万円ものコスト削減になるのです。
法人口座振込み手数料比較
同行宛
他行宛
2.口座維持管理手数料
個人の銀行口座と違って、メガバンクの法人口座は毎月の口座維持管理手数料というものが発生します。
簡単に言えば利用料です。2,000円前後の費用ですが、毎月の費用なので年単位では数万円になってしまうのです。この口座維持管理手数料はネットバンクの場合、無料になっています。
法人口座口座維持管理手数料比較
ネットバンクは24時間365日対応
メガバンクの場合、インターネットバンキングには利用可能時間があります。平日の深夜や土日祝日は利用可能な時間が制限されてしまうのです。
きっかり平日の日中しか仕事をしない大手企業ならいざ知らず、土日祝日も仕事をしている経営者や役員の方にとっては、不便極まりないのです。「祝日に経理業務を片付けておこう。と思ったら、アクセスできない。」ということが往々にして起こります。
ネットバンクは24時間365日インターネットバンキングにアクセスできるので、時間に縛られずに作業ができるのです。
法人口座インターネットバンキングのアクセス可能時間比較
ネットバンクは入出金明細取得可能期間が数年単位
メガバンクの場合、過去の支払い履歴を見ようとしても、ネットバンキングでは前月までしか遡ることができません。記帳をしていないと過去の履歴がわからないのです。
決算や税務署の調査などで過去の記録がわからないことは、大きなデメリットであり、リスクでもあるのです。
「税務署にこの取引は何の取引か説明できない。」
「取引先との入金トラブルで詳細がわからない。」
ということになりかねないのです。
当然、銀行に取引履歴の提出を依頼すれば提示してもらうことが可能ですが、時間も、手間もかかってしまうと同時にCSVなどのデータ化されていないため、無駄に経理担当者の労働時間を長引かせてしまうのです。
法人口座インターネットバンキングの入出金明細取得可能期間比較
ネットバンクの法人口座にもデメリットはある
上記のように解説すると「じゃあ、法人口座はネットバンクの方が絶対にいいんだな。」と思ってしまいがちですが、ネットバンクの法人口座にもデメリットはあります。
- Pay-easy(ペイジー)が使えないことです。
- 海外送金(SWIFT)の受取もできません。
Pay-easy(ペイジー)は法人税や源泉徴収などの税金まわりの支払いをネットバンキングでできるようにしたシステムですが、ネットバンクは対応していないケースがほとんどなのです。
海外の企業と取引がある場合には、海外送金にはSWIFTコードという世界的に利用されるコードが必要なのですが、ネットバンクはこれを保有していないので海外送金の受取ができないのです。
まとめ
法人口座はネットバンクが使い勝手がよく、コスト削減にもつながるのは間違えありません。ネットバンクにするだけで資金繰りも改善する可能性が高いのです。
しかし、「対外的な信頼性」「税金支払い」「海外送金」などメガバンクにしかない法人口座のメリットもあるので、できるのであれば、両方保有しておくことをおすすめします。
日常の振込み対応などはネットバンクで、対外的な信頼面や海外送金・税金支払いなどはメガバンクでと使い分けをすると良いでしょう。起業して間もない会社や数名で事業を行っている零細企業の場合は、ネットバンクだけでも十分だと考えられます。